【CCS Advent Calendar 11日目 担当:マサ】シングル対戦勢によるポケモン解説──ステータスについて
あいさつ
はじめましての方ははじめまして。
某大学のCCSというサークルに所属していますマサです、以後お見知りおきを。
さて、今回はCCSの企画でAdvent Calendarなるものに参加してみました、私は11日目担当となります。
他の方の記事はこちらからご覧になれます。
前日担当なさった方の記事はこちら
私の敬愛する先輩の記事です、ぜひご覧ください。
こんなの見てないで先輩の記事を見ましょう
それでは本題に入っていきます。
今回はポケモンについてお話ししようと思います。
私のポケモン歴
これを読んでいる方のほとんどは1度は遊んだことがあるであろうポケモン
私はFRが初めてのポケモンでした。
以来DP→プラチナ→(中学受験でいったん離れる)→BWで再開→XY→ORAS→SM→USUMと続けています。
プラチナまでは普通にポケモンを遊んでいました。
殿堂入りしてお気に入りのポケモンをレベル100にしたり、コンテストで遊んだり…
BWで私のポケモンはガラリと変わりました。
なんとなく強いポケモン育てたいな~って思ってネットで検索かけたんですね。
で、ひっかかった記事を読んでいると知らない単語が出てくる。
こいつはなんだろうと調べているうちに対戦の沼にはまっていきました。
XYORASではレート対戦を何戦回とやってましたね。
今回はそんなガチ対戦をするような人たちが一体どんなことを考えてポケモンをプレイしているのかの断片を紹介しようと思います。
ポケモンのステータスについて
みなさん、ポケモンのステータスってどのように決められているかご存知ですか。
完全なランダムでしょうか、いいえ違います、ある法則にしっかりのっとって決められているのです。
ではまずこちらをご覧ください。
どちらもレベル50のボーマンダです。
しかしステータスには大きな違いがありますね。
どうしてこうも違うのでしょうか。
それを説明するためにはまず「せいかく」と「3値(※俗称)」について解説していきます。
3値
少し対戦をかじったことがある方ならばまあ聞いたことがある単語でしょう。
これは公式用語ではないですしこれの存在は公式には認められていません、俗称です。
しかし、解析によって明らかに存在すると証明されています。隠しステータスですね。
3値とは「種族値」「個体値」「努力値」の3つの「値」の総称です。
1つずつ見ていきます。
種族値
各ポケモンごとに設定された数値
この値はその名前のポケモンであればどのポケモンでも共通で持つ数値です。
例えば我々は「ヒト」という生物ですよね。「ヒト」は「チーター」に比べて足は遅いですが独自の「知恵」を持ちます。
このように生物の種それぞれにわりあてられた数値とイメージしてください。
ここからそのポケモンのステータスの傾向が見て取れます。
では例を1つ挙げてみましょう。
これを書いてる時のdiscordで適当に早い者勝ちで募集したら「ドサイドン」って言われたので「ドサイドン」を挙げます(その人の嫁ポケらしい、いい趣味をしている)
ドサイドンの種族値はHP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさの順番に115-140-130-55-55-40(535)です。
ここからドサイドンは相手からの物理攻撃(攻撃側はこうげきのステータスに依存、被攻撃側はぼうぎょのステータスに依存してダメージが発生する)に強く、物理攻撃の火力が高いということが見て取れます。
では比較対象としてこれまたdiscordで募集したらあげられたニンフィアを見ていきましょう(ニンフィアかわいくない?異論は認めない)
ニンフィアの種族値は順に95-65-65-110-130-60(計525)です。
とくこうととくぼうが高いですね、このことからニンフィアは特殊攻撃を得意とし、特殊耐久が高めのポケモンと見て取れます。
2匹のポケモンを比較してみましょう。
攻撃面も防御面も正反対の傾向をしていますね。
素早さはニンフィアのほうが高めですね(高いとは断定しません、理由は後述)。
この種族値が高いほど性能の高いポケモンとイメージしてもらえば大丈夫です…といいたいところですがそうは問屋が卸しません。
バイバニラの種族値は71-95-85-110-95-79(計535)です。
さきほどのドサイドンと同じ、ニンフィアより10高い合計種族値を持っています。
合計種族値だけでみればニンフィアより強そうですが現実は非常である。
まあタイプが違うので一概に比較することはできませんがそれぬきにしてもニンフィアのほうが性能は高いです。
それはなぜか、バイバニラの種族値は「無駄がある」からなんです。
バイバニラは基本特殊攻撃を中心とした運用をするポケモンであり、こうげきのステータスが生きることは少ないです。
このこうげきの種族値がもう少し低めで耐久面、素早さに回せていれば性能は結構よくなったはずです。それでも数値が足りなさそうだから勝つことを主軸に置いたら俺は使いませんが。タイプとか技の面でね…
またさきほども述べましたがドサイドンとニンフィアではドサイドンのほうが合計で10勝っていますが2匹の種族値は傾向が異なり、運用方法も違うのでドサイドンのほうが強い、ということはできません。
このように種族値の合計比較だけで強弱を決めることはなかなかできません。
それでもやはり数値は高いポケモンというのは強いんですよ。
ここで「600族」というものをご紹介します。
「600族」とは合計種族値が600となっているポケモンのことをまとめた呼び方です。
代表例はガブリアスです。
初登場のDPからORASまでは環境のトップに君臨し続けました。
108-130-95-80-85-102
この種族値、とても洗練されているんですよね。
あまり細かく話しすぎるとちんぷんかんぷんになるので手短に話すと、
高いこうげきステータス、色々な攻撃を耐える絶妙な耐久、激戦区である素早さ種族値100(素早さ種族値100を持つポケモンが結構います)をわずかに上を行く102を両立しています。
ポケモンというゲームは素早さステータスが1違うだけでそのターンの先行後攻が100%決まってしまうゲームなので種族値の時点で上を行けているのはとても有利になれます。
また攻撃を耐えるということはその分生き残り、相手に攻撃を与える回数を稼げるということになり、有利に立ち回れますね。
ほんとに強かったです、このポケモン。
余談ですがなんで「強かった」なのでしょうか。
XYにて新タイプが登場しました、「フェアリータイプ」です。
このフェアリータイプはドラゴンタイプとかくとうタイプ、悪タイプに対して攻撃で相性有利をとれ、相手からのドラゴンタイプの攻撃を無効化、かくとうタイプと悪タイプ虫タイプの攻撃を半減します。詳しいタイプ相性については各自調べてください。
このフェアリータイプの台頭で少しずつドラゴンタイプが活躍しにくくなってきます。
ガブリアスはドラゴン・じめんタイプでその例に漏れずといった感じでした。
それでもORASまではアイアンヘッドやどくづきといったフェアリータイプに対して抜群をとれる技を採用したりして生き残ってきましたがSMからフェアリータイプで強いポケモンがわんさか追加され、世は大フェアリー時代。
ガブリアスは徐々に使用率を落とし、息絶えました…時代の敗北者となったわけですね。これもすべてミミッキュってやつの仕業なんだ。
話を戻しましょう、600族は基本的に高性能です、対戦でも活躍します。
そんな600族でもドサイドンが勝っている点がありますね。
ぼうぎょ種族値です。
種族値合計は65も違うのにぼうぎょは軽々とガブリアスの上を行きます(ドサイドン:130、ガブリアス:95)
やはりドサイドンは物理耐久面でかなり優秀なようです。
こういう風にやはり合計種族値だけがすべてじゃないということは重ねておわかりいただけるでしょう。
大事なのはそのポケモンの「個性」をつかむことです。
全体の種族値の高低に惑わされないようにしましょう。
個体値
1匹1匹のポケモンそれぞれに定められた数値。
人間でいう「才能(この言い回し自体はあまり好きではないですがこれがぴったりだとは思うので)」にあたる数値です。
これが高いほどそのステータスは伸びやすくなります。
この個体値はHP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさそれぞれに設定されていて31進数で決められます。
最低値は0、最高値はVですね。ちなみにこの個体値が0とVとではレベル50まで(努力値まで一緒にして)育てた際のステータスに実数値にして15ほどの差が出ます。15はかなりの差です。
なので全てVなポケモンのことを俗に6Vといいます。
目的の部分が全て理想通りの個体値をもつポケモンのことは理想個体と呼んでいます。
この理想の個体値はいつもVとは限りません。
これにはめざめるパワー、イカサマ、トリックルームといった少々特殊な技がからんでくる場合があるためです。
めざめるパワーはそのポケモンのもつ個体値によってタイプが決められます。
どういう風に決められているかは各自調べてみましょう。
狙いのめざめるパワーが求める個体値は必ずしもVではありませんときにはそれより1個下のUをもとめられることもあります。
そしてイカサマは攻撃の際に「相手の」こうげきの実数値を参照してダメージを与えるという特殊な技です。
なのでそのイカサマでくらうダメージをなるべく抑えるために特殊攻撃中心のポケモンを育てる際にはそのポケモンのこうげきの個体値を0にするということをよくやります、そうすれば可能な限りイカサマでの被ダメージを抑えることができるからです。
私もたまにこうげきの個体値が0のポケモンを採用します(確定数などがずれ、それが大事だと判断した場合)
トリックルームという技は一定ターン数の間、素早さ関係が逆転する技です。
素早さの実数値が低いポケモンから先に攻撃することができるようになります。
これを使って素早さ関係を逆転させて戦う戦法もあります(俗に「下から殴る」という表現をよく使います)
これを最大限有効活用するにはできるだけ素早さの実数値を落としたいですよね。
ですのでこれを使った戦術のエースに据えるポケモンの素早さの個体値は0にするとよいですよね。
このように 戦術によってはあえて個体値を落としたほうが良い場合はかなりあります。奥が深いでしょう。
努力値
名前の通り「努力」によって手に入れられる数値
これは公式でも別の単語で出ています、「基礎ポイント」という名前で。
ポケモンでは戦闘、栄養ドリンク(インドメタシン、キトサン等)、その他の機能によってポケモンに与えることができます。
これが割り振られるほどそのステータスは伸びます。
1匹のポケモンに510まで振ることができ、1つのステータスに対して最大252まで振ることができます。
ここがポケモンを育てるうえで一番個性がでるポイントです。
同じ個体値のポケモン2匹を用意しても努力値の振り方次第でステータスはがらりと変わります。
性格
ポケモンには「せいかく」というものがあります。
これはただのおまけではなくてこれもしっかりステータスに影響を与えています。
せいかくによってプラスの補正(ステータスに*1.1)がかかるところ、マイナスの補正(*0.9)がかかるところが決まっています、または全く補正のかからない性格もあります。(こちらは対戦ではほとんど使用されませんのであまり考えません)
性格はそのポケモンの型のおおまかな方針を決める要素になります。
先ほどの2体のボーマンダについて
さてここまで3値と性格について解説をしていきました。
ここで最初に挙げた2体のボーマンダに戻ってみましょう。
さて、今のみなさんならこの2体がどう違うのかもう少し具体的に理解ができるでしょう。
ちなみにこの2体はどちらもとくこう抜け5V(HP、こうげき、ぼうぎょ、とくぼう、すばやさの個体値が全てVの意味、ここの場合は理想個体となります)になっています。
1枚目はこうげきとすばやさの実数値が高いですね、2枚目はこうげきとすばやさのステータスは控えめですがとくぼうが高いです。
なので1枚目はこうげきとすばやさに、2枚目はとくぼうに厚く努力値を振っているとみることができます。
今までした話ではなんとなくの感覚でしか説明がつきません。
ですのでここでとある式を適用しましょう。
HP
{(種族値×2+個体値+努力値/4)×Lv/100}+10+Lv
こうげき,ぼうぎょ,とくこう,とくぼう,すばやさ
[{(種族値×2+個体値+努力値/4)×Lv/100}+5]×性格補正(1.1,1.0,0.9)
これは各ステータスの実数値の計算式です。
HPだけ別に式があって他は全部共通の式を適用します。
これは全レベルに対応した式ですが、ここではレベル50のポケモンのみを考えることとして式を少し整理してみましょう。
HP
こうげき,ぼうぎょ,とくこう,とくぼう,すばやさ
{[(種族値+個体値/2+努力値/8)+5]}×性格補正(1.1,1.0,0.9)
こうなりましたね。ちなみに計算途中ででてきた小数点以下はその計算の終わりに切り捨てられて計算されます。
そのため4の倍数で努力値をふらなければ無駄になってしまいます。
8の倍数じゃないの?と思われた方、いらっしゃるのではないでしょうか。
個体値をV(31)とすると個体値/2は~~.5という数値になります。
種族値は整数で固定ですのでこの0.5を無駄にしないためには努力値/8を~~.5の形にする必要がありますね。それを成しえる最小の努力値は「4」です。努力値/8が0.5になりますね。それ以降は8ずつ上げていけば無駄なく努力値が反映されていきます。
個体値をU(30)にすると個体値/2は整数になります。よって0から8の倍数で努力値を振っていけば無駄なく反映されますね。
ちなみにレベル50時では個体値Vで努力値を全く振らない、かつ性格補正がかからない場合、代入していただければわかりますが、HPの実数値は種族値+75、他は種族値
+20となります。
私が実数値計算をする際はこれを覚えておいて、種族値さえわかれば努力値をどれだけふれば実数値はいくらになるかは暗算で把握できるようにしています。
種族値は順に95-135-80-110-80-100(計600)です。ボーマンダは600族です。
今回のボーマンダはとくこうについては一切考えなくていいです。
個体値は先ほども説明した通りとくこう以外は全てVです。
努力値0補正なしの時の実数値はそれぞれ170-155-100-*-100-120です。
1枚目のボーマンダの性格は「いじっぱり」、これはこうげきに1.1倍、とくこうに0.9倍の補正をかける性格です。
2枚目の性格は「しんちょう」、これはとくぼうに1.1倍、とくこうに0.9倍の補正をかける性格です。
性格補正は常に最後に計算します。そして小数点以下は切り捨て。
さて、ではここから少しエクササイズ。写真の実数値は努力値を振ったものです。
1枚目と2枚目の努力値配分を今まで与えた情報から逆算してみてください。
注意ですが努力値はその仕様上、効率よく振ると端数の2が余ってしまいます、これはきにしないでください。よって努力値は合計508になるはずです。
(めんどくさい人は飛ばして構いません)
はい、では答え合わせです。
途中計算は省きますが答えは(1枚目)4-252-0-0-0-252 (2枚目)164-20-12-0-236-76です。
このことから1枚目のボーマンダはこうげき方面に特化、素早さも可能な限り上げた火力面でのエース、2枚目は火力面を控えめに耐久を厚くして場持ちを良くした型になります。同じポケモンなのにガラッと傾向が変わっているのが改めておわかりいただけるでしょう。どちらも強みがあり、弱みがあります。私個人としては2枚目の耐久厚めのほうが好みですね。
まとめ
このようにポケモンのステータスは完全なランダムではなく、ある法則にしっかりのっとって決められており、育て方によって様々なポケモンに育て上げることができます。
対戦勢は勝つためにその対戦環境に適したポケモンはなにか、どういう育て方をすればいいかを日々研究し、研鑽を積み重ねています。
最近、音ゲーに心を奪われている私(CHUNITHMとmaimai楽しい)ですがこの記事を書いているうちにポケモン対戦がしたくなってきました、またガチでやってみようかな。
この記事でポケモンの奥深さを少しでも知っていただけたなら幸いです。
初めてのブログ記事で拙い文章となってしまったと思われますが、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。